マンバメンタリティとは?コービー・ブライアントが残したもの
NBAバスケットボール界のレジェンド、コービー・ブライアント。「ブラック・マンバ」とも呼ばれた彼が唱えた「マンバメンタリティ」はアスリートだけではなく、多くの人々に影響を与えるものとなっています。今回はこのマンバメンタリティについて、解説してみたいと思います。
コービー・ブライアントについて
元NBA選手の父親を持つコービー・ブライアント(1978−2020)は幼少期からバスケットボールに親しみ、プロの選手になることを志すようになりました。次第に頭角を現し、17歳でNBAの名門、ロサンゼルス・レイカーズに入団します。その後もレイカーズ一筋でプレーをし、NBAチャンピオン5回、シーズンMVP1回、ファイナルMVP2回、オールNBAチーム選出15回、NBA歴代2位の1試合81得点の記録を持つなど、多くの功績を重ね、20年間にわたってスーパースターとして君臨し続けました。
その影響力から、コービーは、“ネクスト・ジョーダン”や“ブラックマンバ”とも呼ばれました。ブラックマンバとは、狙った獲物は99.9%逃さないとされる世界で最も危険な猛毒蛇の一種のことで、この猛烈な集中力と正確な行動力になぞらえ、コービーが自身を“ブラックマンバ“と例えたことがきっかけで、愛称として定着したとも言われています。
また、コービー(Kobe)の名前の由来については、日本の「神戸」にあるということをご存知でしょうか。実は、彼の父親であるジョー・ブライアント氏がアメリカにある鉄板焼の店で食べた「神戸牛」の美味しさに感動し、息子の名前として「Kobe」を採用したということのようです。その縁もあって、2001〜2011年には、著名人に神戸を世界にアピールしてもらう「神戸大使」にも就任されていました。
マンバメンタリティとは
さて、タイトルにもなっている“マンバメンタリティ”についてみていきたいと思います。まず「マンバメンタリティ」とは、ブラックマンバと呼ばれたコービーが発信したフレーズで、その後コービーの精神論なりを象徴するものとして捉えられるようになりました。20年もの間スター選手として走り続けるためには、想像もつかないほどの努力を積み重ねてきたことでしょう。そんな彼の精神論とは一体どのようなものだったのでしょうか。
コービーの解釈
マンバメンタリティについて、コービーは様々な場面でその真意について口にしていますが、ここでは、2017年の8月にリリースされた、「ナイキKOBE A.D.」のプロモーションでの解説を取り上げてみたいと思います。
「マンバメンタリティとは、答えを見つけ出すための終わりなき冒険。
もっと上達したい、もっと知りたいという
無限の好奇心。
マンバメンタリティとは、結末にこだわらずに
とにかく進み、戦う事。
人から何と言われるか、誰かに失望されるのではないか、そんなことは一切気にせず、
その瞬間だけに神経を注ぐ。
それがマンバメンタリティだ。」
壮大な表現ですね。「アスリートでもない自分には到底真似できない!」と躊躇してしまいそうですが、このマンバメンタリティを紐解いてみると、どのような立場の人にも当てはまる内容が込められています。
コービーが伝えたかったこと
コービーが伝えたかったのは、結果ではなく、その結果にたどり着くためのプロセスが、あらゆる道において最も重要であるということです。コービーには、アスリートとして、メンタル・フィジカルの両面で自身のパフォーマンスを最大限に保ち続けること、そして試合での勝利、という確固たる目標があり、その達成のために進むという状況ですが、プロのアスリートは一握りの人間にしか達成できない偉業でもあります。コービーが偉業を成し遂げるために、多くの時間や犠牲を払って努力を続けてきたことは言うまでもないですが、そこまではできない!偉業の達成を目指していない!という意見が多いのも事実だと思うので、わかりやすく考えてみましょう。
目標の形は人それぞれで、例えば資格の取得だとか、ダイエットだとか、身近な目標に置き換えてみると捉えやすいでしょう。「毎日掃除をして部屋をきれいに保つ」とか「料理が上手になりたい」とか普段の生活の中での小さな目標でもよいと思います。今は目標が見当たらないという人もいるかもしれません。時間に任せて何となく日々を過ごしてしまうこともありますが、それだけでは変化は生まれにくいものです。自分がふと興味を持ったこと、あんな風になりたい!と憧れた人に出会ったこと、些細なきっかけで、目標が生まれるかもしれません。
そして、なりたい自分の姿や、生活を想像してみて、「自分の可能性を広げるために、まず行動してみること」がスタートです。何かを始めることが簡単ではないように、続けることもそう簡単ではありません。“とにかく進み、戦う事”とコービーの言葉にもありますが、続けてみないとわからないことも多く、続けた先にまた違う世界が見えてくるのではないでしょうか。
コービーは、マンバメンタリティを「最高の自分を目指す」ことであるとも言っています。結果はどうであれ目標にむけて行動するというのを、繰り返せば繰り返すほど、自分のキャパシティも広がり、新しい自分が見えてくる、そして最高の自分に近づいていく、ということではないでしょうか。
目標を掲げることも継続することも簡単ではありませんが、小さなことからでも始めてみることで、コービーのマンバメンタリティという「生き方」に触れられるかもしれません。